2006年2月11日土曜日

孤独癖

職を失ってしまうと気持ちはすっきりした。僕は少しずつシンプルになりつつある。僕は街を失くし、十代を失くし、友だちを失くし、妻を失くし、あと三ヶ月ばかりで二十代を失くそうとしていた。六十になった時僕はいったいどうなっているんだろう、としばらく考えてみた。考えるだけ無駄だった。一ヶ月先のことさえわからないのだ。

―― 村上春樹 「羊をめぐる冒険」

公平に生きたいと思う。
だけど、この社会において公平さなんて誰も求めてはいない。
求めているのは格差と自らの安寧。
自己を省みることなく、人々は本能的に馴れ合いを求めている。
だからこそ、談合・癒着・天下りといった形でそれを手に入れた他人を嫉妬するのだ。

人々はもっと孤独に生きるべきだと思う。
公平さを欠いた馴れ合いは組織を腐らせる。
それは社会という巨大組織においても同じだろう。

会社を辞めることも大変だけれど、社会を抜け出すことはさらに困難だ。
この社会は、新しい生命を送り出したいと思えるほど魅力的だろうか?

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