2011年6月11日土曜日

Core i7-2600Kオーバークロック エクストリーム編

1月に発売直後のCore i7-2600Kのマシンを組み、2月に軽くオーバークロックを試したレポートを載せましたが、その後非常に忙しくなりマシンをいじる余裕がなくなってしまいました。
前回のレポート後の展開も色々と構想はあったのですが、手を付けられないままはや数カ月経過……。

今回、ASUSのH67/P67チップセット搭載マザーボードの交換受付期間が6月末までに迫ったこともあり、手続きをするついでに更なるオーバークロックにチャレンジしてみました。


ちなみに余談ですが、当初はASUSにマザーの交換を申し込む際に必要なシリアル番号が外箱に書かれているとなっており、「捨てる可能性がある(というか、捨てた)モノにシリアルを書くなよ!」とムカついて放置していました。
ところが、今回ASUSの交換受付窓口に電話してみたら「PCIスロットに貼付されたシールに書かれているのがシリアル」と教えてくれたので一件落着。

serial.jpg

3月くらいに電話したときには、シールでの確認方法を具体的に教えてくれなかったのに……。
シリアルが確認できないというクレームがたくさん入ったため、窓口の対応を変えたんでしょうか。


さて本題。

今回目指すのは、空冷での5GHz安定動作です。
前回の環境でもCPU温度が限界を迎えるまでの短い間なら5GHzで動作したので、冷却系を強化すれば実現の可能性はあります。
そのための秘密兵器がこちら!

CNPS9900MAX.jpg

Qmax 300Wを誇る、空冷CPUクーラーの最高峰Zalman CNPS9900 MAXです。
箱はKABUTOより1.5周りぐらい大きくて、「そんな巨大なクーラーで大丈夫か?」と思わず聞きたくなりますが、中身を取り出してみると搭載に必要なスペースはKABUTOとほぼ同じくらいに見えます。
しかし、ケースに取り付けてみるとKABUTOより数センチほど高さがあり、KABUTOならかろうじて閉まったケースの蓋がついに閉められなくなりました(もともと開けっ放しにしてたけど)。
この大きさはかなりケースを選ぶと思うので、購入する際にはご注意を。

CNPS9900MAX_2.jpg

CNPS9900 MAXを搭載してPrime95を走らせてみると、前回のセッティング(4.6GHz + KABUTO)では90度ギリギリだったのが70度以下に!
Qmax 300Wの性能は伊達じゃない、これは夢の5GHz台へ行ける!!

…。
……。
………。

と、そんなわけで試行錯誤すること数時間。
こんなセッティングに落ち着きました。

  • Vcore: 1.35V(TB時約1.46V)
  • BCLK: 103.1MHz
  • CPU動作倍率: 49倍
  • TB時クロック: 5051MHz

cpuz.jpg

5GHzを超えるセッティングでPrime95を動かしても、CPU温度は最高80度程度でかなり安定感があります。
セッティングを詰めればまだ伸びしろはありますが、軽く試した感じだとここから先はかなりVcoreを上げていく必要がありそう。
今回は、とりあえず目標達成ということでこれ以上のリスクは取らずに安定性を上げる方にシフトしようと思いますが、Sandy Bridgeのオーバークロック性能には改めて驚かされますね。
(ちなみに、世界ランクは液体窒素使用で6GHzを超えているみたいです)

CNPS9900MAX_3.jpg


という感じでさらっと終われれば良かったのですが、大きな課題が一つ。
こちらで報告されているとおり、Internal PLL Overvoltageを有効にして高クロック動作させると、スリープからの復帰に失敗してしまう(実際には、何回かリセットを繰り返すと復帰できることが多い)のです。
Internal PLL Overvoltageを無効にして5GHzに近いクロックを設定すると、Windows 7の「ようこそ」画面が表示される直前で固まってしまうので、有効にせざるを得ません。

この件はBIOSの問題でそのうち改善されるのかと思って待っていたのですが、「仕様です」と言われちゃうとなんとも……。
節電が必要なご時世に便利なスリープが使えないのは痛いですね。
じゃあオーバークロックなんかしなきゃいいと言われれば、おっしゃる通りなのですが。(^^;


2011年6月18日 追記

動作クロックを向上しつつ、安定性を高めるためセッティングの見直しを行いました。
こちらの記事もどうぞ。

5 件のコメント:

  1. 初めまして
    tb時のコア電圧って自分で設定できるのですか?
    できるのでしたら教えてくださるとうれしいです。

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  2. > oc初心者さん
    こんばんは。
    TB時のVcoreは発熱等を見ながら動的に制御されているので、
    厳密な設定はできないと思います。
    ただ、TB時にVcoreがどのくらい盛られるかは、
    Load-Line CalibrationやCPU Current Capabilityを
    変更しながらCPUに負荷をかけてみると大体わかるので、
    そこから逆算してベースのVcoreを決めてあげると
    TB時のVcoreもある程度コントロールできますよ。

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  3. 参考までにLoad-Line CalibrationやCPU Current Capabilityの値を教えていだけますか?

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  4. BIOS 1503で、
    Load-Line Calibration = High
    CPU Current Capability = 140%
    の設定にしています。
    なお、あまり詳しく調べていませんが、
    BIOS 1850だと同じ設定にしても、
    Vcore = 高め
    CPU temp = 低め
    になるようです。
    温度が下がって一見良さそうなのですが、ベータ版のせいか不安定な印象です。
    冷却系が十分であれば、現時点ではBIOS 1704以前の方が
    安定するかもしれません。
    参考まで。

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  5. お早い返信ありがとうございます
    細かく設定を教えてください感謝しています。
    さっそくいろいろ試してみます。

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