2010年12月6日月曜日

SHARP Mebius PC-MC1-3CCリカバリDVD作成方法

相方が長年使ってきたPCが、今年の夏前にデフラグの最中に電源が落ちたせいでファイルシステムが破壊され、起動不能になりました。
もうずいぶん長いこと使っているし、大したデータも入っていないということなので新しいPCを買ったのですが、まだ使えるPCを捨てるのはもったいないのでリカバリに挑戦してみることにしました。

付属のリカバリCDがあれば話は簡単なのですが、SHARPのサポートサイトから説明書をダウンロードして調べてみると、このPCはHDDにリカバリ領域が格納されているタイプでした。
Windowsが生きていればユーティリティを使用してリカバリCDを自作することができるのですが、OSが完全に起動できなくなっているので不可能。
幸いリカバリ領域(EISA構成の隠しパーティション)は無事だったので、このデータを利用してリカバリを試みることにします。

パーティションタイプを変更してボリュームを可視化してみると、IO.SYSやAUTOEXEC.BATといったファイルが一式揃っていたので、GRUBを使ってこのパーティションからブートさせてやれば済むと思ったのですが、COMMAND.COMが見つからないと言われどうもうまく行きませんでした(僕の操作方法が悪かったのかもしれませんが)。
そこで発想を逆転させ、リカバリ領域のデータを使って(ユーティリティを使わずに)力技でリカバリディスクの作成にチャレンジすることにしました。


用意するもの

  • KNOPPIX等のライブCD/DVD または Windows 7評価版
  • Windows 98の起動フロッピーディスク(2枚組)
  • 空のフロッピーディスク1枚

手順

  1. まず、リカバリ領域(PQSERVICE)からデータを吸い出します。
    • KNOPPIX等のライブCD/DVDで起動するとリカバリ領域がそのまま見えるので(KNOPPIXだとhda3)、全てのファイルをUSBメモリ等を経由して作業用PCへコピー。
    • Windowsで作業したい場合は、Windows 7の評価版をダウンロードして壊れたCドライブへインストール。起動後にツールを使用してリカバリ領域のパーティションタイプを0x07(NTFS)に変更して再起動すると、ドライブレターが割り当てられ普通にアクセスできるようになるので同様の手順でファイルをコピーします。隠しファイルを表示させるのを忘れないように。(パーティションタイプはこちらのツールを使用すると簡単に変更することができます。解凍して実行するだけなので使い勝手が良いです)
  2. DVDのブートイメージを作成します。
    1. 空のフロッピーディスクを「MS-DOSの起動ディスクを作成する」オプションを付けてフォーマットします。
    2. フロッピー上に作成されたファイルを全て削除します。
    3. 空になったフロッピーに、リカバリ領域から吸い出しておいたデータのうち、"TMENU" "TOOLS" のフォルダと "MEBIUS.*" の各ファイルを除いたファイルを全てコピーします。
    4. Windows 98の起動フロッピーディスクから "OAKCDROM.SYS" と "MSCDEX.EXE" という2つのファイルを抜き出して、フロッピーにコピーします。
    5. AUTOEXEC.BATCONFIG.SYSをダウンロードし、フロッピー上のファイルを置き換えます。(上記のドライバとコマンドを使用して、光学メディアをRドライブとしてマウントする処理を追加しています)
    6. DVDライティングソフト等の機能を使って、このフロッピーディスクからブートイメージファイルを作成します。
  3. リカバリ処理用バッチファイルを差し替えます。
    • RECOVER.BATをダウンロードし、リカバリ領域から吸い出しておいたデータの "TMENU" フォルダにあるファイルを置き換えます。(上記で光学メディアをRドライブにマウントしたのに合わせて、バッチファイル内のドライブレターを C: から R: に変更してあります)
  4. リカバリDVDを焼きます。
    • データ領域には、"TMENU" "TOOLS" のフォルダと "MEBIUS.*" の各ファイルを格納します。
    • ブートイメージには、上記で作成したブートイメージファイルを指定します。

使い方

BIOSでCD-ROMブートを有効にし、焼いたDVDから起動します。
うまく行けば説明書のp.128のメニューが表示されるので、好きなメニューを選んでリカバリを実行してください。
EasyRestore の画面が表示されれば成功です。

mebius.jpg

もし、上記でリカバリ領域(PQSERVICE)のパーティションタイプを変更した場合は、リカバリ完了後に元に戻しておきましょう。
オリジナルのタイプは 0xDE です。


謝辞

本稿は、こちらのスレッドのZONEさんのコメントにほぼ全てを依っています。
"OAKCDROM.SYS" と "MSCDEX.EXE" を使用してリカバリメディアをマウントするアイデアのおかげでPCを復旧することができました。ありがとうございました。

2 件のコメント:

  1. もう10年以上前に作ったWindows 98の起動用フロッピーが今になって役に立つとはねぇ~。
    てか、フロッピーってなにげに耐久性高いんですね。
    5年くらいで読めなくなるのかと思っていました。見下していてすいません。(^^;
    ちなみに、リカバリCDを紛失したときの各メーカーの対応については
    以下のページにまとめられています。
    http://stakasaki.at.webry.info/200610/article_4.html
    対応はメーカーごとにバラバラですが、SHARPは販売してくれないそうです。。。
    http://www.mebius-faq.jp/faq/1030/app/servlet/qadoc?001610

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  2. Windows 98の起動ディスクイメージは、AllBootDisks等で入手可能のようです。
    http://www.allbootdisks.com/
    この手順では "OAKCDROM.SYS" と "MSCDEX.EXE" の入手方法が課題だったのですが、
    ここから起動ディスクを入手すれば解決できそうです。

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